2017 GLOBAL BEAUTY CONGRESS Kagoshima
今回も城山観光ホテルでの開催となったグローバル・ビューティ・コングレス 鹿児島大会。モデル(=顧客)の個性を引き出し、コスチュームに合ったヘア・メイクを競います。今大会は、出場する半数以上の選手が初参加となるフレッシュな顔ぶれが特徴。選手からは例年以上に緊張感が伝わったきました。
REPORT
2017 GLOBAL BEAUTY CONGRESS Kagoshima
グローバル・ビューティ・コングレス 鹿児島大会
7.17 Mon
@城山観光ホテル【アメジストホール鳳凰】
MAKING
用意された衣装は最新のモード。その豪華なブランドラインナップは『GBC』の大きな特徴でもあります。様々なテイストの衣装の中から、どの衣装になるかは当日抽選で決定。日頃のサロンワークでの経験を活かし、その衣装に合わせたヘア・メイクを施します。限られた時間の中で世界観を作り上げる必要があるため、判断力、感性、技術、手際など、美容師に必要なあらゆる要素が試されます。
WALKING
審査員は、スタイリング中、スタイリング後を審査。そしてウォーキングへと移ります。美容師は自身の作品についてコメントし、モデルはウォーキングで審査員にアピールします。
ENTRY
【コスチューム協力】agris(アグリス)/GUT'S DYNAMITE CABARETS(ガッツダイナマイトキャバレーズ)/DRESS CAMP(ドレスキャンプ)/manielle(マニエル)/ebe(エベ)/Miki MIALY(ミキミアリー)/emanuel ungaro(エマニュエル ウンガロ)/Quantize(クオンタイズ)/FACETASM(ファセッタズム)/VICKY(ビッキー)
【審査員】
Bijoux 代表 熊谷 真由美 様
Des.Art 副店長 土井 華織 様
2017ミスユニバース・ジャパン 鹿児島代表 布施 夢紀 様
鹿児島県美容専門学校 技術広報主任 鬼塚 美夏子 様
鹿児島レディスカレッジ ヘアーアート学科 学科長 宇都 順子 様
タラ美容福祉専門学校 副校長 外園 賢太郎 様
最終結果
今回、熱戦を制して見事グランプリに輝いたのは〈DECOR〉様と〈hair make sacca〉様。何と昨年のグランプリもこの2チーム。〈hair make sacca〉様は全員が昨年と同じメンバーでの受賞となりました。両チームは11月に行われる全国大会に出場します。
[作品解説]「世界情勢が暗い雰囲気の中、女性として現代を生きていく上で、自分をしっかり持ち、何にもブレない、芯のある自分でありたい」。明るく個性のあるファッションから、揺るがない自立した強い女性をヘア、メイクで表現しました。ヘアはコンパクトの中にも髪の毛のウェーブと後れ毛で不思議な印象に。そこに角を加える事によって自立した強い女性を。メイクは唇にポイントを持って行き、カラフルでビジューなリップにして芯のある、揺るがない女性を表現しました。
グランプリ
DECOR
ヘア 春山 猛 さん
メイク 岩戸 友希 さん
モデル 下栗 瑞紀 さん
[作品解説]2020年東京オリンピック開催に向け、日本の代表的な髪型「日本髪」をモチーフにドレットヘアーでアレンジしました。衣装のフリルに合わせながら〝ビン〟や〝マゲ〟など、形や質を変えることで今を表現しました。メイクも歌舞伎の〝くまどり〟を意識して、目元にあえて白で差し色を作りけっして派手にならないように似合わせました。
グランプリ
hair make sacca
ヘア 田代 智也 さん
メイク 狩集 真吾 さん
モデル SAYA さん
3位
depth design products
ヘア 伊地知 綾乃 さん
メイク 問覚 麻衣 さん
モデル 満冨 美緒 さん
入賞
TK palju 天文館店
ヘア 岡村 美穂 さん
メイク 平木場 レナ さん
モデル 山元 美優 さん
入賞
Juno 天文館本店
ヘア 竹中 あさひ さん
メイク 北園 舞花 さん
モデル 茶縁 愛里 さん
入賞
優しい時間 by VENTVERT
ヘア 木之瀬 香織 さん
メイク 國生 夏生 さん
モデル 小池 萌音 さん
入賞
[nóubl]
ヘア 栫 貴弘 さん
メイク 徳永 愛美 さん
モデル 宮崎 愛世 さん
審査員特別賞
PARIS AVENIR
ヘア 堂下 真由 さん
メイク 松元 優 さん
モデル 大重 茉梨奈 さん
審査員特別賞
depth design products
ヘア 西野 智美 さん
メイク 辻本 志帆 さん
モデル 住吉 由羽 さん
総括
入賞してもすごく悔しそうな顔をしていたのが印象的でした。
私たちは普段サロンワークの中で仕事をしていますが、こういうアート的な独創的な仕事も忘れちゃいけないと思うんです。バランスを自分の中にしっかり入れ込むとか、いろんなものに興味を持って、それをどう表現するか。質感・バランス、絶対大事だと思うんですよね。
この大会では、朝衣装が決まって、その衣装を見て、嘆いた人もいれば、「よし!」と思った人もいると思います。ちょっと服をいじっていた方もいたようですが、デザイナーさんも魂を込めて作っているので、そこは尊重していただきたいなと思いました。私は普段ヘアメイクの仕事をさせていただいてますが、衣装を活かして、モデルさんに合うヘアとメイクをするのが私たちの役目ではないかと思うんです。
今回グランプリに輝いた2チーム、なぜこの2チームが入ったのか、感じたことがあったのでそれをお伝えします。
イメージがすごく強かった。自分が持ったイメージをちゃんとぶつけられたこと。あと、見てわかるんですけど、自分たちの衣装まで細かく気を遣っていること。頭のひとつひとつも繊細にコーディネートしていること。そのあたりが勝因だったんじゃないかと思います。
決して服を揃えてるからグランプリになったというわけではないのですが、自分たちの持つイメージを繊細にプロデュースできてたのだと思います。
私は、今回本当にこの2作品が大好きです。
先日、ニューヨークのメトロポリタン美術館でやっているコム・デ・ギャルソンの川久保玲さんのエキシビジョンに行ってきました。
みなさんご存知だと思いますが、ジュリアン・ディスという方がヘアをやっています。本当に素晴らしかったです。7月号のヴォーグに載ってます。フィガロにも載ってます。よかったら目を通していただけたらなと思います。どんなにアバンギャルドでもどんなに崩しても綺麗なんですね。服を通して綺麗なんです。どれも主張してないんです。もちろん川久保さんの服なので、普通の服ではないんですけど、でも服も主張しない。頭も主張しない。本当にすごいんだなって改めて思いました。
今度、東京にもジュリアンが来られると思うので、もしよかったら実際に生で見ていただけたらと思います。
鹿児島のチームは全国でもすごく成績がいいので、今回この2チームもぜひ上位に入っていただきたいと思います。
そして他のチームには、また来年この悔しさをバネに出ていただきたいなと思います。
ありがとうございました。
審査委員長 Bijoux 代表 熊谷 真由美 様